◆◆◆ ピアッツァ・アルメリーナ ◆◆◆
〜 カザーレの別荘 〜
◆歴史など 東のカターニアと南のジェーラを結ぶローマ街道の近くに位置するこの別荘は、猛獣狩りに使われる野生動物をアフリカから輸入して財を成した大富豪貴族によって、3世紀末から4世紀初頭にかけて築かれたと考えられている。
 丘の傾斜地にあり、起伏に沿って建物の高さは様々である。面積は3500m2におよび、体育館、浴場、前庭、ペリステリウム(列柱付き中庭)、中庭を取り囲む応接間と客室、横臥食卓を備えた食堂、長い廊下、バシリカ、プライベートの居室など、36室が複雑に集まってできている。また、ほとんどすべての床面にモザイクが敷きつめられている。これらはアフリカのモザイクに類似しており、アフリカの職人による作品であると考えられている。
カザーレの別荘 平面図
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◆開場・入場料 9時から日没の1時間前(昼休みあり)、夏季は8時から。5US$程度
◆交通 エンナからピアッツァ・アルメリーナまでは、バスで45分。パレルモ、カターニア、シラクーサからも直通のバスがある。ピアッツァ・アルメリーナの街からカザーレの別荘までは5〜6km。バスは朝夕それぞれ、3本程度

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●体育館(パラエストラ) (写真提供:P.M.さん)
トイレ(アトリゥムの西隣) チルコ・マッシモの四頭立て馬車競技(体育館) チルコ・マッシモの四頭立て馬車競技(体育館) ◆説明
 入場口の右手にはエクセドラ式のトイレがある(写真左)。
 トイレの脇を抜け、小さな部屋から北へ抜けると、半円形の壁面を持つ体育場がある。ここには「チルコ・マッシモの馬車競技」を表した舗床モザイクがある(写真中央・右)。

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●浴場 (写真提供:P.M.さん)
冷浴室(フリギダリウム) 冷浴室のモザイク ◆説明
 体育場から西へ抜けると浴場がある。浴場は冷浴室・微温浴室・高温浴室からなっている。
 冷浴室は八角形で、壁面に壁龕式更衣室が付属する(写真左)。ここには海の場面や入浴に関する場面のモザイクが見られる(写真右)。この西の小部屋は、油薬の塗布やマッサージを施す部屋として利用されていた。更に西の微温浴室は、両端にアプシスを用いた細長い造りになっている。この隣に並ぶ3つの小部屋は熱浴室であり、床下には暖房装置を備えている。

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●前庭(アトリゥム)、列柱付き中庭(ペリステリウム) (写真提供:P.M.さん)
前庭 中庭(バシリカ側からの映像) トイレ(中庭と体育館の間) ◆説明
 入場口から小さな部屋を南へ抜けると、別荘の玄関口である前庭がある(写真左)。南面に開いた3つの通路が正面入口である。柱廊をめぐらせた馬蹄形の庭であり、中央に四角形の泉水がある。ここには植物をモチーフにした舗床モザイクが断片的に残されている。
 前庭から階段を上がると、舗床モザイク(来客を歓迎する人物像)を施した前室があり、続いてコリント式円柱が並ぶ中庭に出る(写真中央)。中庭の西にある三角形の小さな中庭にもトイレがあり、そこにも舗床モザイクが見られる(写真右)。

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●中庭北部の部屋 (写真提供:P.M.さん)
[中庭北部]部屋1 [中庭北部]魚をとるキューピッドの間 [中庭北部]小狩猟の間 ◆説明
 中庭の北側の部屋には、幾何学模様や図像を表すモザイクが施されている。中でも、「魚をとるキューピッド」(写真中央)、小狩猟の間の「ディアナへの田園の捧げ物」と「木陰の饗宴」の場面を表したモザイク(写真右)が素晴らしい。

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●10人娘の広間 (写真提供:P.M.さん)
10人娘の広間 10人娘の広間 ◆説明
 中庭の南東の四角い部屋で、この館の娘たちの部屋だったと考えられている。「ビキニ」に似た水着姿の少女たちが、円盤投げやボール投げで勝利を競っている場面を表した有名なモザイクがある。1人はすでに勝利の冠をもらっている。左下には新たな勝者に対する冠と月桂樹の葉をもつ女性の姿がみえる(写真左)。また、この舗床モザイクの下には、「10人娘のモザイク」以前にあったモザイクが残っている(写真左:左上)。

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●オルフェウスの間、楕円形ペリステリウム (写真提供:P.M.さん)
オルフェウスの間 楕円形ペリステリウム ◆説明
 中庭の南のアプシスをもつ部屋は、オルフェウスの間と呼ばれており、琴を弾きながら動物たちに歌いかけるアポロンの息子オルフェウスの神話を描いたモザイクがある。
 中庭の南の廊下(アカンサス葉模様)を通り抜けて別荘の一番高い部分へと上ると、楕円形の中庭があり、中央には泉水跡がある。周囲の部屋には、「キューピッドたちの魚捕り」と「ブドウ狩り」のモザイクが部分的に残っている。

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●食堂(トリクリニウム) (写真提供:P.M.さん)
食堂〜北アプシス「ヘラクレスの栄光」 食堂〜東アプシス「負かされた巨人族」 食堂〜南アプシス「リュクルゴスとメナデ・アンブロシア」 ◆説明
  楕円形の中庭の奥には、正方形の広間に3つのアプシスをもつ食堂がある。モザイクは古典神話をモチーフとして、中央広間は「ヘラクレスの功業」、北アプシスは「ヘラクレスの栄光」(写真左)、東アプシスは「負かされた巨人族」(写真中央)、南アプシスは「リュクルゴスとメナデ・アンブロシア」(写真右)が施されている。

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●大狩猟の廊下 (写真提供:P.M.さん)
大狩猟の廊下 大狩猟の廊下 大狩猟の廊下〜右側の半円形部 ◆説明
 中庭の東側には、「大狩猟の廊下」と呼ばれる60mにもわたる長い廊下がある。床面には、猛獣の捕獲や、野生動物を襲う猛獣の姿を表した壮大なモザイクが施されている(象、カバ、猪、ヒョウ、ダチョウ、水牛、カモシカなど)。両端の半円形部分は、古代ローマの属州を図柄としており、左側は猛獣をともなったアルメニア、右側は不死鳥と逃げ出す動物とともにアラビアを表現している。

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●バシリカと周辺の部屋 (写真提供:P.M.さん)
バシリカ 部屋1 部屋2「戦車競技場での少年達の競技」 部屋3「パンとエロスの戦い」 部屋4「オデュッセウスとポリュペモス」 部屋5「寝室」 ◆説明
 大狩猟の廊下の東側にバシリカがある(写真上左)。
 バシリカの北と南には、外側に入口がある私室が並んでおり、どの部屋も美しい舗床モザイクが施されている。「海の怪物とナイアスの従者とイルカに助けられるアリオン」、「戦車競技場での少年達の競技」(写真上右)、「パンとエロスの戦い」(写真下左)、「狩りをする子供」などがあり、特に「オデュッセウスとポリュペモス」(写真下中)と、夫婦の寝室に施されたエロティックなモザイク(写真下右)が素晴らしい。女性の奥に見える男性は、籠の果物や衣服から、葡萄園の守護者である豊穣神プリアポスではないかと考えられている。

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●その他 (写真提供:P.M.さん)
トイレ(バジリカの南東側) ◆説明
 その他の遺跡としては、冷浴室(浴場)の北側とバシリカの裏手に水道跡が遺っている。また、バシリカの裏手にはトイレもある(写真左)。

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